liner notes

A special song

TEXT/真貝 聡

Sunday:この曲は<everybody needs love>から始まるんですけど、“全員に愛が必要だ”って、わかりきっていることでもあるし、じゃあどうしたら良いんですか?ってことじゃないですか。全員に愛が必要ということは毎晩、毎日わかってる。だからこそ歌詞は<nobodyknows the future of the life>この先の生活がどうなるかなんてわからないし、<nobodyknows the future of the war>この先、戦争が起こるか誰にもわからない。一緒に考えてくれよということなんです。

「愛は必要だ」じゃあ、どうすればいいのか? どう向き合えば良いのか? 『We are all』を締めくくる最後の曲は、そんな愛の根底を問うラブソングだ。

Sunday:生まれて3歳を超えるまでは、誰かの手を加えてもらわないと生きられないですからね。 “産んでくれて、へその緒を切ってくれて”という時点で愛はもらっていると思うんです。そういう意味では、愛は空気と同じくらい必要だということを冒頭で言ってから考えていこうと。

愛の大事さをわかっていても、人はいがみ合うし、傷つけあう。認め合うことが大事だと頭では理解していても、差別は無くならない。

Sunday:身近なことでいうと、わざと人を傷つけるツイートをする人がいるじゃないですか。そもそも正論がこの世にあったら戦争は起きてないと思うんです。正論では解決できないことが腐るほどあって、誰かの正論は違う角度で見たら暴言だったりする。インターネットとかそういうものを見てしまうと、広がっているようで狭まっている世界じゃないですか。日本の社会が針の糸を通すような世界観に向かっているところを無視して、“とにかく空気と同じように愛を必要としていこう”という曲です。今、僕が一番言いたいことをラストの曲に持ってきたんです。

最後にSundayさんに尋ねた。「物事を深刻に見せずに、あくまでポップに伝える姿勢はどこからくるんですか?」と。

Sunday:基本的に開き直っているんですよね。先祖代々、家族も僕もカッコつけたりしないのはカミデ家の風習なのかも。——思うんですけど、もし僕が一般企業に就職したとしたら、1年目は頑張って朝のラッシュに乗って9時に出勤するけど、2年目からは怒られても10時出勤にします(笑)。それで周りが納得してくれるような状況を作れば良いんです。頑張ったら朝のラッシュに乗らなくても良いじゃないですか。自分なりのやり方みたいなのを試行錯誤するのは大好きなんですけど、それを形にするにはパワーがいる。ただ、それをしないで人のせいにしてしまうくらいなら、自分なりのやり方で面白くするしかない。そういう開き直りです。無理をしたり、恥ずかしがって何かしらカッコつけるのが一番笑えないというか。そういうところから音楽をしているので、だからこそ出来た曲はたくさんあります。『君が誰かの彼女になりくさっても』も『A special song』もカッコつけていたら歌えないですから。

1969年にリリースされた早川義夫さんのアルバムに『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』という作品がある。Sundayさん、そしてワンダフルボーイズの音楽を聴いていると「カッコつけないことはなんてカッコいいんだろう」と思う。わかりやすくて、シンプルで、たまに情けなくて、だけど優しくて。このアルバムが音楽界の金字塔にならなくても、ラブソングの金字塔になればいい。ただ……タイトルの『We are all』=「私たちは1つだ」そんな風に僕は思えない。ジェンガのように、たった1ピースで人間関係なんて簡単に崩れてしまう。それぐらい人と人の絆はもろい。だけど、このアルバムを聴いている間は大切な人と1つになれている。そんな風に思えたら、人生はどれほど輝かしいだろう。